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事務所のLED化費用|灯数別の相場と補助金活用法(2026年版)

事務所のLED化費用|灯数別の相場と補助金活用法(2026年版)
※画像はイメージです

オフィス・事務所の蛍光灯をLEDに切り替えると、消費電力は約半分、寿命は約4倍。電気代と保守費用の両方が下がり、5〜7年で投資回収できるのが一般的です。さらに2027年末で水銀灯(高圧水銀灯・メタルハライドランプ等)の製造・輸出入が水銀に関する水俣条約に基づき全面禁止となるため、蛍光灯から段階的にLEDへ切り替える動きは一段と加速しています。

本記事では灯数別の費用相場、価格を左右する要因、補助金スケジューリング、業者選びのチェックポイントまで、事務所LED化を検討する施設管理者向けに体系的に解説します。発注前に押さえておくべき判断材料を網羅しているので、上司への稟議資料を作る際の下地としても活用できます。

灯数別の費用相場(工事費込み)

事務所LED化の費用は「器具タイプ」「設置高さ」「灯数」の3点で決まります。同じ灯数でも、直管型LED(既存器具に新ランプを差し込む)と一体型LED器具(器具ごと更新)では2倍前後の差が出るため、見積依頼前に方針を決めておく必要があります。

直近の見積実績から、相場の中央値をまとめると以下のレンジになります。

灯数 直管型LED 一体型LED器具
10灯(小規模オフィス) 5万〜10万円 12万〜20万円
30灯(30坪オフィス) 15万〜25万円 35万〜55万円
50灯(50坪オフィス) 25万〜40万円 55万〜85万円
100灯(中規模ビル1フロア) 45万〜80万円 100万〜170万円
200灯(大規模ビル1フロア) 90万〜150万円 190万〜320万円

直管型LED:既存の蛍光灯器具をそのまま使い、ランプだけを交換する方式。工事は最短だが、既設の安定器との互換性確認や、後述する「グロー式・ラピッド式・インバーター式」の方式判別が必要。 一体型LED器具:ベース器具ごと新品に交換する方式。長寿命・高効率で安定器のリスクもゼロだが、初期費用は直管型の2〜3倍。

なお、上記は「天井高さ2.7m前後の標準的なオフィスフロア」を前提とした費用です。倉庫・工場のように天井が4m以上の現場は、高所作業車や足場の手配費が別途加算され、見積は1.3〜1.7倍になることが珍しくありません。発注前に天井高さと作業スペースの広さを確認しておくと、見積の精度が大きく上がります。

価格を左右する4つの要因

LED化の見積金額を上下させる主要因は以下の4つです。同じ灯数・同じ仕様でも、これらの条件が違えば総額は大きく変わるため、現地調査時に必ず業者と擦り合わせておきましょう。

  1. 天井の高さと作業環境 標準オフィス(〜3m)であれば脚立作業で完結しますが、天井が4mを超えると高所作業車(ローリングタワー)の手配が必要になり、1日あたり5〜10万円が加算されます。さらに天井裏に空調ダクト・スプリンクラー配管が密集している場合、養生費・搬入経路確保費が別途発生します。事前に図面と現場写真を業者に共有しておくと、見積段階でこれらの条件を織り込めます。
  2. 施工時間帯 テナントの営業中は工事ができないため、夜間・休日の施工になるケースが大半です。深夜時間帯(22時〜翌5時)は労働基準法上の割増賃金が適用され、人件費が25〜40%増。1日完結が難しく分割工事になると、養生・搬入・撤去のセットが繰り返し発生し、さらに費用がかさみます。営業時間外しか工事できない場合は、複数フロアを一括発注して「1晩で全体を片付ける」段取りにできるか業者と相談しましょう。
  3. 既存器具の状態 設置から10年以上経過した蛍光灯器具は、内部の安定器が劣化していることが多く、直管型LEDに交換しても数年以内に器具側の故障が発生します。劣化器具に直管型を入れる場合は、安定器をバイパスする工事が必要となり、1台あたり追加2,000〜4,000円。築年数が古いビルでは、最初から一体型に切り替えた方がトータルで安くつくケースが多いです。
  4. 廃棄処分の手間とコスト 1972年〜2003年頃に製造された蛍光灯安定器の一部にはPCB(ポリ塩化ビフェニル)が含まれている可能性があり、その場合はPCB特別措置法に基づく専門処分が必要となります。1台あたり2,000〜5,000円の処分費に加え、保管・運搬の管理票(マニフェスト)作成が業者側に発生するため、見積に反映されます。PCB含有検査を別項目で立ててくれる業者は、産廃処分の運用が確立されている証拠です。

これら4点を業者の現地調査時に明示して見積もらせれば、想定外の追加請求を大幅に抑えられます。「現場で見たら必要だった」と後から言われるリスクを潰すことが、コスト管理の第一歩です。

直管型と一体型、どちらを選ぶか

「初期費用を抑えたい」なら直管型、「10年スパンで運用コストを下げたい」なら一体型、というのが原則的な判断軸です。ただし条件によって判断が変わるため、以下の比較表で自社の優先順位と照らし合わせてください。

比較項目 直管型LED 一体型LED器具
初期費用 安い 高い
工事時間 短い(ランプ交換のみ) 長い(器具撤去込み)
寿命 約40,000時間 約60,000時間
安定器の劣化リスク 残る(バイパス工事推奨) なし
既存器具の流用可否 可(PSE対応器具のみ) 不可
器具デザインの一新 不可 可(ライン状・ダウンライト型へ変更可)
災害時の落下リスク 既存器具の固定状態に依存 新固定で安全

安定器が10年以上経過している場合、直管型を選んでも数年以内に器具側で故障が出るため、結果的に2回工事になりトータル費用は割高になります。築年数が古いビルでは、最初から一体型を選ぶ判断が経済合理的です。

なお、一体型に切り替える場合は照度設計(lx計算)を見直すチャンスでもあります。蛍光灯時代は「均一に明るく」が主流でしたが、LED化を機にデスク上だけ明るく・通路は控えめにする「タスク&アンビエント照明」へ変更すると、消費電力をさらに2〜3割削減できます。器具数を増やすより、適材適所で配置する設計の方が、トータルの電力消費と初期費用の両方を抑えられます。

補助金で半額になることも

LED化は省エネ補助金の主戦場で、適切に活用すれば導入費用が実質半額〜3分の1まで圧縮できます。代表的な制度を3つ紹介します。

  • 省エネルギー投資促進支援事業費補助金(経産省・SII) 中小企業向けに導入費用の1/2以内、上限15億円まで補助される最大規模の省エネ支援制度です。事前申請が必須で、交付決定前に発注した工事は対象外。年度予算枠が設定されており、4〜5月の公募開始から数週間で枠が埋まることもあるため、年明け頃から準備を始めるのが現実的です。SII(環境共創イニシアチブ)のサイトで公募要項が確認できます。
  • 東京都クール・ネット東京 LED照明等節電促進助成金 都内中小企業限定で、最大1,500万円・助成率2/3という非常に手厚い制度。年度予算枠が早期に埋まりやすく、過去には公募開始時点で募集枠の8割が即日埋まったケースもあります。都内に事業所があるなら最優先で検討すべき制度です。
  • 市区町村単独の省エネ補助金 数十万円〜数百万円規模で、自治体ごとに独自の制度があります。例えば横浜市の「横浜市建築物省エネ化推進事業」、大阪市の「省エネ・グリーン化支援助成」など。区役所・市役所の産業振興課または環境部局で確認してください。国・都道府県の補助金と併用可能なケースもあります。

申請から交付決定までは2〜4ヶ月。工事の発注は交付決定後でなければ対象外になる制度がほとんどなので、年度頭に申請→秋〜冬に着工というタイムラインで設計します。逆算すると、補助金を狙うLED化は前年度のうちに業者選定と仕様確定を済ませておく必要があります。

失敗しない相見積もりのコツ

LED化の相見積もりで業者間の比較を意味あるものにするには、以下の4点を押さえておきましょう。何となく3社に依頼するだけでは、出てきた金額が比較不能で判断材料になりません。

  • 同条件で3社に依頼する 「直管型」「一体型」を1社ずつ別々の方式で見積もらせると比較不能になります。3社に対して「方式・灯数・照度・施工時間帯」の4条件を揃えた仕様書を渡し、その条件下での金額を出してもらう方式が基本です。仕様書はA4で1枚程度の簡潔なものでOK。
  • 照度(lx)を必ず明記 JIS Z9110の事務所基準は750lx以上ですが、執務エリア・会議室・通路で必要な照度が違います。器具数だけで見積もらせると「とにかく明るく多めに付けて高くなる」「節約のため少なくして暗い」のどちらかになりがち。照度設計から提案できる業者を選ぶと、過剰投資を避けられます。
  • 撤去・処分費の内訳を分離 「器具撤去 + 廃棄処分 一式」と書かれている見積は要注意。PCB含有安定器の処分費が含まれているのか、後から追加請求になるのかが不透明です。「PCB含有検査費 ◯円」「マニフェスト発行費 ◯円」と明細化できる業者は、産廃処分の運用が確立されている証拠です。
  • 保証年数の比較 一体型LED器具は最低5年、できれば10年保証が付いている製品を選ぶのが鉄則。製品保証(メーカー)と施工保証(業者)の両方を必ず確認し、不具合時の対応窓口がメーカーか業者かを明文化しておきましょう。

これらを見積依頼書に盛り込んでおけば、業者の対応速度や提案の質で力量を比較できるようになり、価格だけで判断する罠を避けられます。

投資回収の考え方

40W蛍光灯1本(年間8時間×260日点灯)の電気代を約2,500円、20W直管型LEDに置き換えた場合は約1,250円。1本あたり年間1,250円の削減です。

100灯規模で年間12.5万円の削減効果となり、工事費80万円の場合の単純回収期間は約6.4年。補助金1/2を活用すれば3年強まで短縮できます。さらに以下の効果も加算されます。

  • 空調負荷の低減:LEDは蛍光灯より発熱量が少なく、夏場の冷房負荷が3〜5%低下。100坪規模のオフィスで年間数万円の冷房費削減になります。
  • ランプ交換工数の削減:年に数回発生していたランプ交換業務がほぼゼロに。1回1〜2万円の交換費が10年で20万円以上の削減効果になります。
  • 照度ムラの解消による生産性向上:定量化は難しいが、執務環境改善として評価されるケースが多く、健康経営やオフィス環境投資の文脈でも説明しやすくなります。

これらを総合すると、補助金活用+一体型LEDの組み合わせで、実質回収期間2〜3年というシナリオが現実的です。

まとめ

LED化は「機器代」だけで判断すると、撤去費・補助金スケジュール・保証条件で総額が大きくぶれます。失敗を防ぐには、以下の4ステップで進めるのが最も確実です。

  • まず「直管型 / 一体型」の方式を決める(築10年以上のビルなら一体型推奨)
  • 必要な照度(lx)の根拠を明示して同条件で3社の見積を並べる
  • 補助金スケジュールに整合する発注時期を逆算する(前年度から準備)
  • 保証は製品保証・施工保証の両方を明文化する

この4ステップを踏めば、LED化を「ただの設備更新」ではなく「投資対効果の見える経営判断」として進められます。

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