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元請の下請審査で見られること|通らない会社は何が足りないのか

元請の下請審査で見られること|通らない会社は何が足りないのか
※画像はイメージです

新しい元請と取引を始めるとき、たいてい「取引先登録」の審査があります。ここで落ちる会社の多くは、施工能力ではなく書類でつまずいています

審査の項目は元請によって異なります。ここでは共通して見られる観点を扱います。

提出を求められる書類

  1. 会社概要(沿革、組織、施工実績)
  2. 建設業許可の通知書の写し
  3. 登記事項証明書
  4. 決算書(直近1〜3期)
  5. 社会保険の加入を示す資料
  6. 有資格者の一覧と資格証の写し
  7. 保険(労災の上乗せ、賠償責任保険)の証券の写し
  8. 安全衛生管理の体制(安全衛生管理規程、責任者)
  9. 反社会的勢力でないことの表明・確約

5番目と9番目は近年ほぼ必須です。 用意していない会社は、その時点で数週間の遅れが出ます。

何を見られているか

元請が知りたいのは、次の3つに集約されます。

見たいこと 何で判断するか
法令を守れるか 許可、社会保険、処分歴、体制の書類
工事を完遂できるか 実績、有資格者、人員、財務
事故を起こさないか 安全衛生の体制、災害の履歴、保険

「安く施工できるか」は審査の項目ではありません。 単価の話は審査を通ってからです。ここを取り違えて、価格の話ばかりする会社は評価が下がります。

落ちる理由

  • 社会保険が未加入、または加入状況を証明できない
  • 建設業許可が必要な規模なのに持っていない
  • 決算の内容が著しく悪い(債務超過など)
  • 提出書類が期限までにそろわない
  • 過去の災害や処分の履歴
  • 記入内容に不整合がある

1番目が最も多い理由です。 国土交通省のガイドラインにより、元請は社会保険に未加入の建設企業を下請として選定しないよう要請されています。加入していなければ、施工能力に関係なく門前払いになります。

事前に整えておくもの

審査は突然来ます。声がかかってから集め始めると間に合いません。

  1. 会社概要の資料(施工実績を写真付きで)
  2. 許可通知書の最新版の写し
  3. 決算書3期分
  4. 社会保険の加入を示す資料
  5. 有資格者の一覧(氏名、資格、取得年月、有効期限)
  6. 安全衛生管理の規程と体制図
  7. 保険証券の写し
  8. 反社会的勢力に関する表明書の様式

5番目を最新に保つのが最も手間がかかります。 資格の取得や退職のたびに更新する担当を決めてください。

通りやすくする工夫

  • 施工実績を写真と数量で示す(言葉だけの実績は弱い)
  • 得意な工事を明確にする(何でもできますは印象に残らない)
  • 有資格者の数を前面に出す
  • 安全の実績を示す(無災害の記録)
  • 提出を早くする(期限より早いこと自体が評価される

最後の項目は軽視されがちですが効きます。 審査の段階で書類が遅い会社は、着工後も遅いと見られます。逆に早ければ、体制が整っている印象になります。

審査を通ったあと

登録されて終わりではありません。

  • 許可の更新のたびに写しを提出する
  • 有資格者の変更を伝える
  • 決算のたびに書類を求められることがある
  • 年1回程度の更新審査がある元請もある

更新を怠って登録が失効し、発注が止まる例があります。 元請ごとの更新時期を一覧で管理してください。

審査は営業の機会でもある

書類をそろえるだけでなく、伝え方を工夫すると印象が変わります。

伝える内容 どう示すか
得意な工事 直近3年の実績を工種別に集計する
施工能力 同時に持てる現場数、職人の人数
品質 手直しの少なさ、検査の合格実績
安全 無災害の期間、教育の実施状況
体制 有資格者の一覧、事務の体制

「何でもできます」は最も弱い自己紹介です。 元請が探しているのは、特定の工種を任せられる会社です。絞って示してください。

審査に落ちたあと

理由を聞ける関係なら聞いてください。改善して再申請できることがあります。

  1. 落ちた理由を確認する
  2. 改善できるものかを判断する(社会保険、許可、体制)
  3. 改善して再度申請する
  4. 難しければ、別の元請や、その元請の一次下請経由を検討する

社会保険や許可は時間をかければ改善できます。 一度落ちたことより、その後に何をしたかが見られます。

よくある質問

Q. 実績が少ない会社はどうすればよいか

小さい工事から実績を作るしかありません。まず1件受注し、書類と施工で評価を得ることが最短です。

Q. 決算が赤字でも通るか

1期の赤字で即不可となるとは限りません。推移と説明が重要です。改善の見通しを添えてください。

Q. 社会保険の加入が難しい場合は

段階的な加入も含めて社会保険労務士に相談してください。未加入のままでは取引の機会そのものが減り続けます。

Q. 審査にどのくらいかかるか

元請によりますが、数週間から1か月程度を見ておくと安全です。着工の予定から逆算してください。

Q. 審査を通ったのに発注が来ない場合は

登録は入口にすぎません。担当者に得意な工事を伝え、小さい案件でも受けて実績を作るところから始めてください。

Q. 一人親方でも登録できるか

元請によります。労災保険の特別加入や、施工体制上の扱いを確認したうえで判断されます。

Q. 提出した書類はどのくらいで更新するのか

許可の更新時と、決算のたびが目安です。元請から求められる前に出すと印象が良くなります。

Q. 複数の元請に登録してよいか

問題ありません。むしろ1社への依存を避けるために複数を持つほうが健全です。

Q. 反社会的勢力に関する表明書とは何か

暴力団等と関係がないことを表明・確約する書面です。多くの元請が取引の条件としています。

まとめ

  • 落ちる原因の多くは施工能力ではなく書類
  • 見られているのは法令遵守・完遂能力・安全の3点
  • 社会保険の未加入は門前払いの最大の理由
  • 会社概要・許可・決算・保険・有資格者一覧は常に最新で持っておく
  • 提出が早いこと自体が評価される

社会保険の扱いは社会保険未加入業者の扱いで扱っています。

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