安全書類サービスの選び方|グリーンサイト以外にどんな手があるか

安全書類の電子化というと特定のサービス名が思い浮かびますが、選択肢は一つではありません。自社の現場数と、取引先の状況で最適解が変わります。
サービスの仕様・料金は変わります。比較の際は必ず各社の公式情報でご確認ください。ここでは選ぶ軸を扱います。
3つの方向
| 方向 | 中身 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 安全書類の専用サービス | グリーンファイルの作成・提出に特化 | 元請で現場数が多い |
| 施工管理ツールの一機能 | 労務安全に加えて入退場・工程なども扱う | 現場管理全体を一つにまとめたい |
| 自社の様式で運用 | 表計算やテンプレートを整備して使う | 現場数が少ない、下請専業 |
3番目は今も現実的な選択です。 年に数現場しか元請にならない会社が、月額費用をかけて専用サービスを持つ必要はありません。
専用サービスを選ぶとき
安全書類に特化したサービスは、業界での利用が広がっているため、協力会社がすでに登録している可能性が高いのが利点です。
- 協力会社の登録済み情報を使える
- 元請ごとに再入力する手間が減る
- 発注者や上位の元請が指定していることがある
一方で、協力会社側に費用が発生する設計のものがあります。年に数回しか使わない会社にとっては負担になるため、導入時の説明が要ります。
施工管理ツールの一機能を使うとき
入退場管理や工程管理と一体で提供されるものがあります。
- 安全書類だけでなく現場管理全体を一つにできる
- 協力会社の利用が無料の設計のものがある
- 現場の入退場記録と作業員名簿が連動する
ただし、協力会社がその環境に入っていない場合、登録から始めることになります。 自社が主導できる立場か(元請か)で導入のしやすさが変わります。
現実には併用になることが多い
ここが実務の実態です。
- A社の現場では専用サービス
- B社の現場では別のサービス
- C社の現場では紙
下請の立場では、元請ごとに使うものが変わります。 自社で1つに決められません。したがって下請側の対策は「どのサービスにも出せるよう、元データを自社で整えておく」ことになります。
- 作業員の一覧(氏名、生年月日、職種、経験年数)
- 資格の一覧と有効期限
- 保険の加入状況
- 会社の許可情報
この4つを表計算1つにまとめておけば、どのサービスへの入力も転記で済みます。 サービスを選ぶより、元データを整えるほうが先です。
自社運用を続ける条件
専用サービスを入れずに続けるなら、次を満たしてください。
- 様式を統一する(現場ごとに作らない)
- 作業員のマスタを持つ(毎回書き写さない)
- 資格の有効期限を管理する
- 個人情報の保管方法を決める
- 保存期間を守る(台帳と同じ期間)
3番目が抜けると、失効した資格のまま現場に入れる事故が起きます。 サービスを使わないなら、この管理を自前でやる必要があります。
選ぶときの質問
導入を検討するなら、次を各社に聞いてください。
- 協力会社の費用はいくらか(無料か、人数で変わるか)
- 初期費用と月額の構成
- 主要な協力会社の登録率
- スマートフォンで使えるか
- 既存データの移行ができるか
- 協力会社からの問い合わせを誰が受けるか
- 解約時にデータを取り出せるか
最後の項目を聞く会社は少ないのですが、重要です。 数年分の書類が取り出せないと、保存期間の義務を果たせなくなります。
元請の立場で決めるとき
自社が元請で導入を決められる立場なら、判断の順番は次のとおりです。
- 主要な協力業者がすでに使っているものを調べる
- 発注者や上位の元請からの指定を確認する
- 協力業者の費用負担を確認する
- 試験的に1現場で使ってみる
- 説明会を開いて全体に広げる
4番目を飛ばさないでください。 小さな現場で一度回すと、協力業者が詰まる箇所が具体的に見えます。いきなり全現場に広げると、問い合わせが集中して事務が止まります。
下請の立場で備えるとき
自社が下請なら、どのサービスにも対応できる状態を作るのが最短です。
- 作業員の一覧を最新に保つ
- 資格証をスキャンして1か所にまとめる
- 保険の加入を示す書類を電子で持つ
- 許可証の写しを最新版に差し替える
- 担当者を決める(現場ごとに違う人がやらない)
2番目の効果が大きいです。資格証の写しを探す時間が、書類作成の大半を占めていることがあります。
よくある質問
Q. 複数のサービスに登録すると費用が二重にかかるか
協力会社が費用を負担する設計のサービスでは、その分だけかかります。元請が負担する設計なら下請の負担は生じません。
Q. 元請から指定されたら断れるか
現場のルールとして求められれば従うことになります。費用負担が重い場合は、元請に相談する余地はあります。
Q. 小さな会社でも電子化する価値はあるか
現場数が少なければ、まずは自社の元データを整えるだけでも効果があります。転記の手間の大半はそこで消えます。
Q. 複数のサービスを併用しても問題ないか
問題ありません。実務では元請ごとに使い分けている会社が多くあります。
Q. 途中で別のサービスに乗り換えられるか
できますが、協力業者に再度の登録をお願いすることになります。頻繁に変えると信頼を失うため、選定は慎重に行ってください。
Q. 発注者が指定してくる場合は
その現場ではそれに従うことになります。自社の標準と違う場合は、両方に出せるよう元データを整えておくのが現実的です。
Q. 表計算での管理は法令上問題ないか
様式や保存の要件を満たしていれば、管理の手段そのものは問われません。期限管理と保存期間を自前で守れるかが条件です。
まとめ
- 選択肢は専用サービス/施工管理ツールの一機能/自社運用の3方向
- 下請の立場では元請ごとに使うものが変わる。1つに決められない
- したがって先にやるのは自社の元データ(作業員・資格・保険・許可)の整備
- 選ぶときは協力会社の費用と、解約時のデータ取り出しを確認する
安全書類そのものの種類は安全書類とグリーンサイトで扱っています。




