太陽光パネルの処分|リサイクル新法で何が変わるか、いま確認すること

太陽光発電設備の導入から10年以上が経ち、更新や撤去の案件が増えています。同時に制度が動いており、2026年にリサイクルの新法が公布されました。 この記事では制度の要点を押さえたうえで、いま撤去・処分するときに何を確認すべきかを整理します。
なお制度は施行前の段階を含みます。適用範囲と時期は今後の政省令で具体化されるため、着手前に最新の案内を確認してください。
リサイクル新法の要点
2026年4月に「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案」が閣議決定され、2026年6月に公布されました。施行は公布から1年6か月以内とされており、2027年末ごろが見込まれています。
主な内容は次のとおりです。
- まとまった量の太陽光パネルを処分する事業者を多量事業用太陽電池廃棄者と位置づける
- 対象事業者に、国が示す基準に沿ったリサイクルを義務づける
- 処分方法・排出量・時期などを記載した排出実施計画の事前届出を求める
背景には、パネルの排出量が2030年代後半以降に大きく増える見通しがあります。
出典: 環境省の太陽光発電設備リサイクル制度小委員会の資料、および法律案の公布に関する各種公表資料。具体的な対象規模や届出の様式は今後定まるため、最新情報の確認が必要です。
廃棄等費用の積立制度
FIT/FIP制度における事業用の太陽光発電設備(10kW以上)には、廃棄等費用の積立に関する制度があります。将来の撤去・処分費用を確保しておくための仕組みです。
撤去の相談を受けたときは、発注者側にこの積立があるかどうかを確認してください。費用の出どころが決まっていれば話が早く進みます。
撤去時の感電対策
太陽光パネルは、光が当たっている限り発電し続けます。 開閉器を切っても、パネル自体の発電は止まりません。
- 遮光してから作業する(シートで覆う)
- 絶縁手袋、絶縁工具を使う
- 直流の回路であることを意識する(交流と違い、アークが切れにくい)
- 配線の接続部を先に処理する
- 雨天や濡れた状態での作業を避ける
「ブレーカーを切ったから安全」ではありません。 ここが他の電気設備の撤去と決定的に違う点です。
含有物質の確認
パネルの種類によって、含まれる物質が違います。
| 種類 | 主な構成 | 確認すること |
|---|---|---|
| 結晶シリコン系 | ガラス、アルミ枠、シリコン、銀、銅 | はんだに鉛を含むものがある |
| 化合物系(CIS、CdTeなど) | 種類により重金属を含むものがある | 型式から確認する |
型式が分かれば、メーカーが含有物質の情報を公表していることがあります。 受入先から求められることもあるため、銘板の記録を残してください。
現在の処分の流れ
新法の施行前でも、産業廃棄物としての適正な処理は必要です。
- 型式と枚数、設置年を把握する
- 含有物質の情報を確認する(メーカー資料、銘板)
- 受け入れられる処理業者を探す(パネルを扱える業者は限られる)
- 書面で委託契約を結ぶ
- マニフェストを交付し、返送を確認する
- 架台、パワコン、ケーブルは別に処理する(金属として有価になる部分がある)
6番目を分けると費用が変わります。 アルミ架台と銅ケーブルは有価で動くことがあります。
架台とパワコンの扱い
- アルミ架台: 非鉄として有価になりやすい。関連記事「アルミの買取価格」参照
- 鋼製架台: 鉄スクラップ
- 基礎(コンクリート): がら。関連記事「コンクリートがらの処分」参照
- パワーコンディショナ: 金属と基板の混合。中古需要があることも
- ケーブル: 銅。関連記事「電線・ケーブルの買取価格」参照
パネル以外は既存の処理ルートに乗ります。 パネル本体だけが特殊だと考えてください。
撤去工事の見積で分けて積む項目
太陽光設備の撤去は、部材ごとに処理ルートが違うため、まとめて積むと合いません。
- 事前調査(型式、枚数、含有物質の確認)
- 遮光と感電対策(シート、絶縁工具)
- パネルの取り外しと運搬(枚数で積む)
- 架台の解体(アルミか鋼製かで変わる)
- パワコン、接続箱の撤去
- ケーブルの撤去(有価で控除できる)
- 基礎の撤去(残置か撤去かで大きく変わる)
- パネルの処分費
- 有価物の控除(アルミ架台、銅ケーブル)
7番目を先に決めてください。 基礎を残すか撤去するかで金額が大きく変わります。
屋根置きと地上設置で違うこと
- 屋根置き: 揚重と落下防止が主な課題。屋根の防水復旧が別に要る
- 地上設置: 基礎の撤去と原状回復が主な課題。面積が広く枚数が多い
屋根置きでは、パネル撤去後の防水処理を見積に含めるか確認してください。 架台の固定部が防水層を貫通していることがあります。
よくある質問
Q. 新法はいつから適用されるか A. 公布から1年6か月以内の施行とされ、2027年末ごろが見込まれています。対象規模や手続きの詳細は今後の政省令で定まります。
Q. 小規模な設備も対象か A. 「多量事業用太陽電池廃棄者」という位置づけがあるため、規模による線引きが想定されます。詳細は施行に向けた情報を確認してください。
Q. パネルは有価で引き取られるか A. 一般には処分費が出ます。ただしガラスとアルミ枠は再資源化の対象で、経路が整うほど条件は変わりうる領域です。
Q. まだ使えるパネルは再利用できるか A. 発電性能が確認できれば中古として動くことがあります。ただし施工上の適合と保証の扱いを確認してください。
まとめ
太陽光パネルの処分は制度が動いている最中です。2026年6月に公布されたリサイクル新法により、一定規模以上の事業者にリサイクルと排出実施計画の届出が義務づけられる見込みで、施行は2027年末ごろとされています。撤去では、光が当たる限り発電し続ける点が他の電気設備と決定的に違うため、遮光と絶縁対策が必須です。パネル本体以外(架台、パワコン、ケーブル、基礎)は既存の処理ルートに乗り、アルミと銅は有価で動きます。
撤去した架台やケーブル、まだ使えるパワコンは処分の対象ではないことがあります。GenbaLink 在庫マーケット で型式を指定して建設業者どうしで売買できます。
一緒に外すことの多い蓄電池は蓄電池の処分、金属としての価値は金属スクラップの買取をご覧ください。




