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下請の契約不適合責任|手直しを何年求めるかの決め方

下請の契約不適合責任|手直しを何年求めるかの決め方
※画像はイメージです

下請に手直し(契約不適合の責任)を何年求めるかは、元請が発注者に負っている期間に合わせるのが基本です。中央建設業審議会の建設工事標準下請契約約款も、契約不適合を理由とした請求ができる期間を「引渡しを受けた日から○年以内」とし、その○には原則として元請契約における契約不適合責任の期限に相応する数字を記入すると注記しています(第47条)。

期間を決めずに契約すると、民法の原則(不適合を知った時から1年以内に通知。民法第637条)に戻ります。この記事では、下請契約で手直しの期間をどう決めるか、そして期間の外で揉めないための書き方を整理します。

個別の契約の判断は、必要に応じて弁護士などの専門家に確認してください。

契約不適合責任とは

引き渡された工事の目的物が、種類または品質について契約の内容に合わないものであるとき、注文者(元請)は請負人(下請)に次を求められます。

請求 内容
履行の追完 修補(手直し)、代わりの物の引渡し
代金の減額 追完の催告をしても追完がないときなど
損害賠償・契約の解除 民法の一般の規定による

標準下請契約約款の第35条も、元請負人は契約不適合のとき目的物の修補または代替物の引渡しによる履行の追完を請求できること、ただし追完に過分の費用を要するときは請求できないことを定めています。

「契約の内容に合わない」かどうかが出発点です。 図面・仕様書・打合せの記録で、何を約束したかを明確にしておくほど、手直しの範囲で揉めにくくなります。

民法の期間の原則

決まり 内容 根拠
通知の期間 注文者が不適合を知った時から1年以内に請負人へ通知しないと、請求ができなくなる 民法第637条第1項
例外 引渡しの時に請負人が不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかったときは適用しない 民法第637条第2項
時効 権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年 民法第166条第1項

民法の原則は「知った時から」です。 引渡しから何年たっても、知った時から1年以内に通知すれば請求できる余地が残るため、元請と下請の双方にとって終わりが見えにくい形になります。だから契約で期間を決めます。

住宅の新築は10年が法律で決まっている

住宅を新築する建設工事の請負契約では、請負人は、引き渡した時から10年間、構造耐力上主要な部分または雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について責任を負い、これに反する注文者に不利な特約は無効とされています(住宅の品質確保の促進等に関する法律第94条)。

元請が発注者に10年の責任を負う部分を、下請に1年で区切ると、元請だけが残りの期間を背負います。 住宅の構造や防水に関わる工事を下請に出すときは、この部分の扱いを特に意識してください。

下請に求める期間の決め方

手順 内容
1 元請契約で、発注者に対する契約不適合責任の期間を確認する
2 下請の施工範囲が、そのどの部分に当たるかを整理する
3 原則として、元請契約の期間に相応する期間を下請契約に書く
4 設備機器など、性質の違う部分は別に定める

標準下請契約約款の第47条第2項は、設備の機器本体等の契約不適合について、引渡しの時に元請負人が検査して直ちに追完を請求しなければ下請負人は責任を負わないとし、ただし一般的な注意で発見できなかった不適合は、別に定める期間まで請求できる形にしています。この期間も、元請契約の設備機器等の期限に相応する数字を書くとされています。

機器本体の不具合はメーカーの保証との関係もあるため、引渡し時の検査と期間を分けて決めるのが実務的です。

期間だけでなく書いておくこと

  • 手直しの対象: 下請の施工に起因するものに限るか
  • 連絡の方法: 不適合を見つけたら、書面またはメッセージで、写真を添えて通知する
  • 対応の期限: 通知を受けてから何日以内に現場を確認するか
  • 費用の負担: 下請の責めに帰すべき事由による場合の負担と、原因が分からない場合の扱い
  • 元請が自ら直した場合の扱い: 下請が対応しないときの費用の請求

原因が分からないうちに費用の負担を決めつけると揉めます。 まず現場を一緒に確認する、という手順を書いておくことが効きます。協力会社とのトラブルの対処は協力業者とのトラブルで扱っています。

約款の(A)と(B)

標準下請契約約款の契約不適合責任の条項には、(A)と(B)の2つの案があり、どちらかを選んで使うとされています。(B)は、契約不適合が下請負人の責めに帰すべき事由により生じたものであるときに追完を請求できる形になっています。

どちらを選ぶかで、下請の責任の範囲が変わります。 使う約款の版と、選んだ案を契約書で確認してください。最新の約款は国土交通省のページで公開されています。

協力会社の側で確認すること

  • 元請契約の期間が、自社の期間にどう反映されているか
  • 住宅の新築で、構造・防水に関わる施工をするか
  • 機器を支給される場合、機器本体の不具合が自社の責任の範囲に入っていないか
  • 引渡し時の検査の記録を残しているか

引渡しの時の写真と検査の記録は、後で「施工の問題か、使い方の問題か」を切り分ける証拠になります。 契約書の他の項目は下請契約書に必ず入れる項目で扱っています。

よくある質問

Q. 下請に元請と同じ期間を求めてよいか

標準下請契約約款は、元請契約の期限に相応する数字を書くことを原則としています。施工範囲に応じて合理的に決めてください。

Q. 期間を定めなかったらどうなるか

民法の原則に戻り、不適合を知った時から1年以内の通知が基準になります。終わりが見えにくくなるため、定めておくのが無難です。

Q. 期間が過ぎた後の不具合は

契約で定めた期間が過ぎれば、原則として契約不適合を理由とした請求はできなくなります。ただし、請負人が引渡しの時に不適合を知っていた場合などの扱いは、契約の条項と事情によるため、専門家に確認してください。

まとめ

  • 下請に求める手直しの期間は、元請が発注者に負う期間に相応させるのが原則(標準下請契約約款第47条)
  • 定めなければ民法の原則に戻る(知った時から1年以内に通知、時効は5年・10年)
  • 住宅の新築の構造・防水部分は、品確法で引渡しから10年
  • 設備機器本体は、引渡し時の検査と期間を分けて決める
  • 期間に加え、連絡の方法・対応の期限・費用の負担を書いておく

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出典・参考

#契約不適合責任#下請契約#手直し#標準下請契約約款#協力会社

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