建設業の外国人材受入れ|特定技能の要件と協力会社の確認点

建設業で外国人材を「特定技能」の在留資格で受け入れるには、他の分野と共通の基準に加えて、建設分野だけの上乗せの基準があります。受入企業は建設特定技能受入計画を作り、国土交通大臣の認定を受ける必要があり、その認定の基準には、建設業法第3条の許可を受けていること、受入企業と1号特定技能外国人の建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録、一般社団法人建設技能人材機構(JAC)への加入、同等の技能を持つ日本人と同等額以上の報酬などが含まれます(国土交通省資料)。
業務の区分は、令和4年8月30日の閣議決定で土木・建築・ライフライン・設備の3区分に統合されています。この記事では、受け入れの要件と、元請が外国人材を受け入れている協力会社を現場に迎えるときの確認点を整理します。
在留資格の審査は出入国在留管理庁、受入計画の認定は国土交通省(地方整備局等)が行います。制度は改正されることがあるため、手続きの前に両者の最新の案内を確認してください。
特定技能1号と2号
| 区分 | 主な要件 | 在留期間 | 家族の帯同 |
|---|---|---|---|
| 1号 | 技能評価試験と日本語試験に合格、または技能実習2号を良好に修了など | 通算5年 | 原則不可 |
| 2号 | 班長として一定の実務経験と、2号評価試験または技能検定1級への合格 | 更新の上限なし | 扶養する配偶者・子の帯同可 |
国土交通省の資料によれば、1号になるには次の2つのルートがあります。
- 技能実習2号を良好に修了(または技能実習3号を修了)
- 技能評価試験(技能検定3級または建設分野特定技能1号評価試験)と、日本語試験(国際交流基金日本語基礎テストまたは日本語能力試験N4以上)の両方に合格
3つの業務区分
| 区分 | 主な作業の例(国土交通省資料より) |
|---|---|
| 土木 | コンクリート圧送、とび、建設機械施工、塗装 など |
| 建築 | 建築大工、鉄筋施工、とび、屋根ふき、左官、内装仕上げ、塗装、防水施工 など |
| ライフライン・設備 | 配管、保温保冷、電気通信、電気工事 など |
区分は作業の性質による分類で、現場の種類による分類ではありません。 認定を受けた区分に含まれる作業であれば、現場の種類を問わず従事できるとされています。ただし雇用契約で業務の範囲を明確にし、報酬が同等の技能を持つ日本人と同等以上になるよう留意が必要です。
受入計画の認定の基準
国土交通省の資料が挙げる、受入計画の認定の主な基準は次のとおりです。
- 受入企業が建設業法第3条の許可を受けていること
- 受入企業と1号特定技能外国人がCCUSに登録していること
- JACに加入し、JACが定める行動規範を守ること
- 報酬が同等の技能を持つ日本人と同等額以上で、安定的に支払い、技能の習熟に応じて昇給すること
- 賃金など契約上の重要事項を、外国人が十分に理解できる言語で、書面で事前に説明すること
- 受け入れ後、国土交通大臣が指定する講習または研修を受けさせること
- 国または適正就労監理機関による巡回指導を受け入れること
JACへの加入は、JACの正会員である建設業者団体の会員になるか、JACの賛助会員になるかを選べます。 CCUSの登録やJACへの加入には時間がかかるため、国土交通省は、受入計画の認定申請の前に必要な手続きを確認し、計画的に進めるよう案内しています。認定までの目安は、補正の期間を除き1か月半から2か月程度とされています。
受け入れ開始後の手続き
- 受け入れを始めたら、速やかに受入報告書を提出する
- 受入計画の記載事項に変更があれば、変更の申請または届出を行う
- 海外から新たに入国する場合は、CCUSの技能者IDに関する書類を原則として入国後1か月以内に提出する
CCUSの登録と就業履歴の実務はCCUSの実務で扱っています。
元請が協力会社を迎えるときの確認点
外国人材を受け入れている協力会社を現場に迎えるとき、元請は次を確認すると安心です。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 在留資格と在留期間 | 期間内に就労できるか |
| 特定技能の業務区分 | 頼む作業が区分に含まれるか |
| 受入計画の認定 | 建設分野の上乗せ基準を満たしているか |
| CCUSの登録 | 認定の基準の1つで、就業履歴の蓄積に必要 |
| 社会保険の加入 | 作業員名簿の社会保険の欄で確認する |
| 新規入場者教育の言語 | 現場の危険と決まりが伝わるか |
作業員名簿の確認の段階で、在留資格と業務区分を照らし合わせてください。 名簿の書き方は作業員名簿の書き方、教育の伝え方は新規入場者教育で扱っています。
技能実習から育成就労へ
技能実習制度に代わる育成就労制度を創設する改正法(令和6年法律第60号)は、一部の規定を除き令和9年4月1日に施行されると、出入国在留管理庁が案内しています。受け入れの計画を立てるときは、施行の前後で扱いがどう変わるかを、出入国在留管理庁と国土交通省の最新の案内で確認してください。
受け入れを検討するときの順番
- 自社の建設業許可と、頼みたい作業の業務区分を確認する
- CCUSの事業者登録と、JACへの加入の手続きを確認する
- 報酬の水準を、同等の技能を持つ日本人と比べて決める
- 受入計画を作成し、認定を申請する
- 在留資格の手続きを進める(受入計画の審査と並行できる)
- 受け入れ後の講習・巡回指導・報告の段取りを組む
3番目の報酬は、基本給と毎月固定で払う手当で比べるとされています。比べる相手の日本人の経験年数の考え方も、国土交通省の資料に示されています。
よくある質問
Q. 建設業許可がなくても受け入れられるか
建設分野の受入計画の認定基準に、建設業法第3条の許可を受けていることが含まれています。
Q. 電気工事の作業に従事させられるか
国土交通省の資料では、電気工事はライフライン・設備区分の作業の例に挙げられています。認定を受けた区分と雇用契約の業務範囲を確認してください。
Q. 元請が手続きをする必要はあるか
受入計画を作るのは雇用する受入企業です。元請は、現場に迎えるときの確認と、教育が伝わるかの配慮が中心になります。
まとめ
- 建設分野の特定技能には、受入計画の国土交通大臣の認定という上乗せの基準がある
- 認定の基準は、建設業許可、CCUS登録、JAC加入、日本人と同等額以上の報酬、重要事項の書面説明、講習の受講、巡回指導の受け入れなど
- 業務区分は土木・建築・ライフライン・設備の3区分
- 元請は在留資格・業務区分・認定・CCUS・社会保険・教育の言語を確認する
- 育成就労制度は令和9年4月1日に施行予定。最新の案内を確認する
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