LED照明の処分|産業廃棄物としての扱いと、蛍光灯との違い

LED照明が普及して10年以上が経ち、初期に導入した器具が更新時期を迎えています。「LEDは水銀を使っていないから楽」という理解は半分正しく、半分そうではありません。この記事では蛍光灯との違いを整理し、事業者としての処分の流れを確認します。
蛍光灯との一番の違い
LEDには水銀が入っていません。 これが処理上の最大の違いです。
蛍光ランプは廃棄物処理法上「水銀使用製品産業廃棄物」に位置づけられ、他の廃棄物と分けて保管し、その種類を扱える許可を持つ業者へ委託し、契約書とマニフェストにその旨を記載する必要があります(詳しくは関連記事「蛍光灯の処分」)。
LEDにはこの特別な扱いがありません。ただし、産業廃棄物であることは変わりません。
LEDは何の産業廃棄物になるか
LED照明は複数の素材でできており、単一の分類にはなりません。
| 部位 | 主な素材 | 分類 |
|---|---|---|
| 筐体、放熱板 | アルミ、鋼板 | 金属くず |
| カバー、レンズ | 樹脂 | 廃プラスチック類 |
| 基板、電源 | 樹脂+金属+電子部品 | 混合。金属回収の対象になることも |
| 配線 | 銅+被覆 | 金属くず+廃プラ |
分けずに出せば「混合廃棄物」となり、単価が上がります。 逆に、量がまとまる現場でアルミの筐体を分離できれば、金属として有価で動くことがあります。
事業者としての処分の流れ
事業活動で出たLED照明は、自治体の家庭ごみでは出せません。産業廃棄物としての委託が必要です。
- 品目と数量を把握する(器具、直管型LEDランプ、電源装置)
- 対象の品目を扱える許可を持つ業者を選ぶ
- 書面で委託契約を結ぶ(処理を始める前に)
- マニフェストを交付し、返送された写しを確認する
- 契約書とマニフェストを保存する
この流れ自体は他の産業廃棄物と同じです。蛍光灯のような追加の要件がないぶん、選べる業者の幅は広くなります。
直管型LEDランプの注意
蛍光灯器具に取り付けるタイプの直管型LEDランプは、外観が蛍光ランプに似ています。処分のときに蛍光ランプと混ざりやすいため、分けて保管してください。
混ざると、水銀使用製品産業廃棄物として扱うことになり、単価と手続きが上がります。逆に蛍光ランプがLEDの山に混ざると、本来必要な分別ができていないことになります。
見分けがつきにくい場合は、取り外した時点で表示をして分けるのが確実です。
分別で費用が変わる
LEDの処分費を下げる打ち手は、他の廃棄物と同じ「分けること」です。
- 器具本体(金属主体)とカバー(樹脂)を分ける
- 電源装置を分ける
- 配線を抜く
- 台数がまとまるなら、アルミの筐体だけで金属として出せないか確認する
少量では手間のほうが勝ちます。 更新工事で数十台以上まとまる場合に効いてきます。
更新工事で両方が出るときの現場運用
蛍光灯からLEDへの更新では、外すのは蛍光灯、付けるのはLEDです。ただし数年後にはそのLEDを外す工事も出てきます。どちらの場面でも効く運用は同じです。
- 外した瞬間に容器を分ける(蛍光ランプ/LEDランプ/器具本体)
- 容器に表示を貼る(後から見て分かるように)
- 蛍光ランプの容器は割れない置き方にする
- フロアごとに集積場所を決める(混ざる原因の大半は仮置き)
- 搬出前に中身を確認する(表示と中身が合っているか)
混ざる事故のほとんどは仮置きで起きます。 置き場を決めることが最大の対策です。
有価に転じる条件
LED器具が処分費ではなく収入になるのは、次が揃ったときです。
- 台数がまとまる(数十台以上が目安。少量では運搬費が上回る)
- アルミの筐体が主体(樹脂主体の器具は該当しない)
- カバーと基板を外せる(付いたままだと混合の扱い)
- 引き取り先を確保してある(金属として受ける業者)
器具の構造によっては分離に手間がかかりすぎることがあります。 数台を試しに分解して所要時間を測ってから、全台に広げるか決めてください。
よくある質問
Q. LEDは有害物質を含まないのか A. 水銀は含みませんが、基板には各種の金属が使われています。産業廃棄物として適正に委託してください。
Q. 蛍光灯からLEDへの更新で、両方が出る場合は A. 必ず分けて保管してください。蛍光ランプは水銀使用製品産業廃棄物として、専用の委託が必要です。
Q. LED器具は有価で引き取られるか A. アルミの筐体が主体で台数がまとまる場合、金属として評価されることがあります。カバーと基板が付いたままだと混合の扱いになります。
Q. まだ点灯する器具を外した場合は A. 動作するLED器具は中古として需要があることがあります。処分に回す前に確認してください。
器具ごと替えるか、ランプだけ替えるか
蛍光灯器具に直管型LEDランプを入れる方法と、器具ごとLEDに替える方法があります。処分の観点でも違いが出ます。
| 方法 | 出る廃棄物 | 注意 |
|---|---|---|
| ランプだけ交換 | 蛍光ランプのみ | 安定器はそのまま残るため、寿命と適合の確認が要る |
| 器具ごと交換 | 蛍光ランプ+器具本体+安定器 | 量は増えるが、安定器の問題を一度に解消できる |
古い器具ではランプだけ替えても安定器が先に寿命を迎えます。 処分の手間を2回に分けるより、器具ごと替えて一度で済ませるほうが総額で有利なことがあります。
Q. LEDの寿命はどのくらいか A. 器具や使用環境で変わりますが、光源だけでなく電源装置の寿命も判断材料になります。暗くなった、ちらつくといった症状は電源側のことがあります。
まとめ
LED照明は水銀を含まないため、蛍光ランプのような特別な分別・委託の要件はありません。ただし産業廃棄物であることは変わらず、許可のある業者への書面委託とマニフェストが必要です。素材が金属・樹脂・基板の混合なので、分けずに出すと混合廃棄物として単価が上がります。直管型LEDランプは蛍光ランプと混ざりやすいので、外した時点で分けてください。
まだ点灯する器具や、未使用のまま残った在庫は処分の対象ではありません。GenbaLink 在庫マーケット で型番を指定して売買できます。
器具ごと外す場合の積算は照明器具の処分費を積算にどう入れるか、蛍光灯からの切り替えは蛍光灯の処分と2027年問題で扱っています。




